2024年5月16日木曜日

横須賀線・田浦駅から伸びていた専用線【2001】

 久しぶりにうんと濃厚な鉄道ネタをひとつアップいたします。

逗子市から外れて横須賀市側に入ったJR横須賀線の田浦駅は、駅がトンネルに挟まれているためホームが短く、11両編成のうち1両のドアを開けないことはよく知られていますが、同駅から分岐していた貨物線もなかなか怪しい雰囲気で知る人ぞ知るディープスポットでした。
だいぶ昔のものではありますが、今回は筆者がその貨物側線を探検しに行った2001年₍平13₎3月の写真です。

駅入口の跨線橋から見た田浦駅
幅広の古風なホームの手前に分岐するのが今回のお題の貨物側線。トンネルの先で左にカーブしています

そのカーブした先が道路と交差する部分
当時は機関車がまだ待機していました

前写真の位置から振り返ると、道路に沿って敷かれた線路と海側₍↑画像奥側₎に続く線路が直角に交差しています。
これが日本国内では数少ない“ダイヤモンドクロッシング”という線路配置でして、これだけを見に訪れる線路配置ファンも少なくないようです。

先ほどの機関車がいた線路をたどっていくと田浦駅前から続く道と合流して駅と逆方向に続き、比与宇トンネルというトンネルの中で線路が途切れていました。暗すぎて写真が撮れなかったのが残念…
この専用線が走っていた頃はこのトンネル側まで来た貨物列車が方向を変え、↑写真に見えるポイントを直進して先ほどのダイヤモンドクロッシングを横切っていました。
※地図を貼るのが面倒なので地図サイト等で位置関係を確認ください

田浦駅方向に戻る感じで線路をたどると、道路に沿ってしばらく続いて相模運輸倉庫㈱の倉庫街に二手に分かれて入っていました。
その倉庫辺りは関係者以外立ち入り禁止でしたので、代わりに川を渡る“吾妻橋”の線路の画像を↑

先日国土地理院の航空写真閲覧サービスでこのあたりの古い写真を見てみたところ、ダイヤモンドクロッシングの先を進んだ線路は大きく弧を描いて、吾妻島との間の“新井掘割水路”に面した海っぺりに石油の積み込み施設があって、そこで石油を積み込んだタンク車が米軍の厚木基地や横田基地などへジェット燃料を運んでいたようです。
また比与宇トンネルの線路はもともとは途切れずトンネルの向こうまで続き、その石油施設に伸びていたように見えます。

この一連の線路はもともと三浦半島一帯を要塞化していた旧日本軍が建設したもので、第二次大戦後在日米軍が活用していたものですので、このような大規模な専用線が形成されていましがが、廃止になってから徐々に線路が撤去されるなど痕跡が消えつつあるようです。
とはいえいくらかは線路跡があるようなのでご興味がある方は散策してみてください。
ただし立ち入り禁止の場所には決して入らないのが鉄則ですヨ!

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