↑前面窓が欠落していた修復前のデハ601(平成13年ごろ)
京急600形(二代目)は、昭和31年に京急初の高性能(カルダン)車として誕生し、最期まで二つドア・セミクロスシートでありながら関東では珍しく特別料金不要な特急型両であり虎の子的存在でした。
特に昭和43年から運転を開始した「快速特急」ではその初代専用車として、国電のエリート路線=東海道・横須賀線に対して住宅街を100km/h超のスピードで、モーターも焼け焦がさんばかりに真っ向勝負を挑む様は数多くの熱狂的京急ファンを生むほどインパクト十分で、通勤通学や海水浴などの足として大車輪の活躍をしました。
そのデハ600形が引退し、1号車が逗子市の第一運動公園に収まってからすでに30年が経過しました。御多分に漏れず腐食が進んで外板に穴が空き、一時は「撤去して代わりの車を…」といった発言が関係者の口から出る状況にまでなりましたが、この古き良き京急の象徴的車両を永久に失われないよう働きかけ、平成25年度の公園再整備計画施行と同時に車体の修繕・再塗装に至り、欠損していた前面窓ガラスも再生されました。
整備完了と共に、私たちは、主に花壇などに適用される「逗子市の公園と緑地に関するアダプトプログラム(里親制度)」に着目し、ボランティア団体として逗子市と合意し、『デハ601保存会』として5月から正式に活動を開始しました。
現段階では月1回の活動日には内外の清掃活動を行いつつ、多く訪れる地域の子どもたちの遊び方に危険が無いように見守っています。
今後は、主体はあくまで逗子市ではあるものの、講じられている事故防止対策(乗務員室のドアノブや機器類・つり革・けい光灯などが撤去され、窓ガラスも開かなくなっています)の趣旨を損なわない形でのイメージ回復や、今回対策を施されなかった個所の腐食対策などを、市と協議して進めつつ、元京急車はもちろん京浜~湘南エリアで同時代を生きた保存車両の仲間とも交流を深め、地域で歴史の生き証人としての存在感を増していくよう、この車を有意義に活用したアクションを撮ろうと考えています。
どうかご声援のほど、よろしくお願いいたします。
デハ601保存会
活動場所:神奈川県逗子市 第一運動公園
(JR横須賀線東逗子駅 徒歩7分/京急逗子線神武寺駅 徒歩11分)
活動日時:基本的に毎月第2土曜日 10:00~16:00)
活動内容:デハ601号車の車内ならびに保存エリアの清掃・除草、車両のアテンド、広報活動他)